民事信託に必要な手続きや流れを徹底解説!

第1 民事信託を利用する前に決めておくべきこと

1 なぜ利用するか?目的を明確にする

既に書かせて頂きましたが、民事信託は複雑なものであり、また、繊細な内容になります。

適当に作成しても、良さを発揮できるものではありません。

そこで、民事信託契約を作成するにあたっては、事前に細かな点も含めて決めておく必要があります。

2 どの財産を信託するかを明確にする

民事信託においては、受託者に対し、財産を託すことになります。

信託契約を作成するにあたって、どの財産を信託するのか特定することが求められます。

特に預金債権、有価証券については、細かく特定することが必要になります。

3 受託者・受益者を決める

次に、民事信託契約の当事者を決定することが必要になります。

受益者については、一般的に委託者自身を受益者とする自益信託を使うことが多いので、委託者を受益者とする事例が多いと思います。

信託の結果、利益を誰に享受させるか吟味をすることが肝要です。

 

次に、民事信託契約で一番の問題である受益者を誰にするかということです。

何となく弁護士が受託者になれるのではと思われるかもしれませんが、信託業法の制約のため、プロである弁護士は受託者になることはできません。したがって、信託を受けてくれる方を探すことが必要になります。

通常、信頼できる親族の方を受託者とすることが多いのですが、そのような方がおられない場合、難しい問題になります。

一般的には、信託銀行や信託会社にお願いすることになります。

 

ところで、受託者の選定にあたって留意すべき点があります。

受託者になろうとされる方は親切心でなられる場合が多いかと思います。

実際に職務を開始すると、色々と仕事をしなければならないことになり、かなりの負担です。

また、受任期間も長期間に及びます。

受託者の選定にあたってはよく話し合いをし、リスクの説明をすることが必要です。併せて、報酬をどうするのかについても考えておくことが求められます。

さらに、受託者自身は法律のプロではない以上、万が一に備えて専門家を信託監督人等に選任することも検討することになります。

4 受託者が管理する財産の内訳

受託者が管理する財産は、大別して、不動産、金銭その他金融資産、株式等になります。

不動産については、居住用不動産と賃貸用不動産に区別されます。

金銭その他の金融資産については、前述したように預貯金がメインになってきます。

ここで注意すべき事柄として、預貯金を開設する際、「信託口」名義で預貯金を管理することが求められますが、実際に対応してくれる金融機関の数が少ないのが悩ましい問題です。

さらに、株式についても管理する事案が多く、主に剰余金配当請求権の管理をする事案が多いですね。

もっとも、近時、事業承継の一環として株式の信託を用いる事例が増加してきています。

後継者に議決権を与えて円滑に事業承継を行うべく活用されています。

5 期間が満了になった後の財産をどうするか

信託契約には、信託の存続期間を記載しており、期間の経過により信託契約は終了することになる。

信託財産については、清算手続が行われることになります。

清算により信託財産に属する債務の取立てや信託債務についての弁済、受益債権に関する債務の弁済、残余財産の給付が行われることになります。

残余財産の帰属者として、残余財産受益者や帰属権利者が定められることになります。

 

第2 必要書類の確認

1 民事信託に必要な書類

民事信託に必要な書類としては、公正証書の作成が必要になります。

公正証書作成の前提として、戸籍謄本、不動産の登記、預貯金等の資料を収集することになります。

2 登記に必要な書類

不動産を信託するにあたっては、法務局に不動産登記をすることが必要になります。

不動産登記にあたって必要な書類は、登記簿、印鑑証明書(3か月以内のもの)、固定資産評価証明書、住民票等が必要になってきます。

3 民事信託の手続きの流れ

手続の流れを概観すると、信託の内容を決定し、信託契約を公正証書で作成し、必要な場合登記をするということになります。

時間的には3か月から半年程度必要になります。

4 民事信託の目的や内容を家族間で話し合う

民事信託の目的は様々なものであり、オーダーメードのものになっています。

したがって、目的や内容について、受託者候補者、受益者候補者等を含めて家族間でしっかりと話をしておくことが必要です。

専門家に全面的に任せるのではなく、家族のニーズをしっかりと契約書に盛り込んでいくことが大切です。

5 信託契約書を作成する

信託契約書の作成にあたっては、前述したように契約書を公証人役場で作成することになります。

公証人役場は主要都市にあるので、事前に予約をし、契約書案を送信して作成することになります。

公正証書作成にあたっては、公証人の手数料が必要になります。

 

その後、信託財産を委託者から受託者に移転するために、法務局に信託登記をすることになります。

また、金融機関で受託者が「信託口」口座を開設することになります。

ただし、前述しましたが、信託口口座に対応してくれる金融機関は近年増加しているとはいえ、まだまだ少ないのが現状です。

しかも、事前に金融機関に連絡をして、条項の書き方の指南を受けておいた方が無難です。

以上のとおり、一連の手続きが完了すれば、信託契約による財産管理が開始されることになります。

第3 専門家に依頼した場合の手続きの流れ

民事信託契約については、内容的に難解な部分もあり、専門家に依頼される方がよいと思います。

専門家にご依頼頂いた場合、まずはコンサルタント的な立場で民事信託契約の設計図を作成していくことになります。

そのため、委託者を含め、関係者から現状のヒアリングをすることになります。

 

信託契約の設計については、専門家としての経験を活かし、委託者のニーズに合ったものを設計することになります。

定型的な契約ではなく、目的や家族関係、資産の状況等を勘案して完全オーダーメードのものを作成させて頂くことになります。

当然のことですが、民事信託契約を作成するにあたっては、見積書を提示させて頂き、委託者の方にご納得の頂ける形で仕事を進めていくことになります。

 

その後、専門家として、受託者や家族の方に対し、契約の説明をさせて頂きます。

特に受託者になられる方は、長期間重い責任を負うことになりますので、詳細な説明をさせて頂くことになります。

そして、関係者の合意を踏まえて、民事信託契約書を作成することになります。

当然のことではありますが、随時不明点等へのアドバイスもすることになります。

よくある質問としましては、遺留分制度との関係、税金対策等です。

そのような点についてもプロの視点で詳しく説明をさせて頂きます。

弊所は、弁護士と税理士と在籍しておりますので、法律面のみならず、税務面のお悩みにもワンストップで対応させて頂きます。

第4 民事信託は専門家に相談するのがおすすめ

以上のように民事信託契約の専門的な性格から法律のプロである弁護士に相談して頂くのが宜しいかと思います。

最近、専門士業ではない方が信託の相談を受け付けている事例をお見掛けしますが、内容的に不安が残ります。

実際、相談事例でも言われるがまま民事信託契約書を作成したが、不備が多く、全然使えないという話を聞きます。

高い金額を払って、不十分なものを作成することは望ましくありません。

したがって、法律面については弁護士、税務面については税理士、登記については司法書士に相談をして頂くことが良いかと思います。

第5 まとめ

最後に、民事信託契約は一つの手段です。

その他の終活の手段と合わせて設計をすることにより貴方は安心して老後の生活を送ることが可能になります。

是非ともご活用下さい。

民事信託の問題はお任せ下さい。

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